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池田 義雅*; 高村 正人*; 箱山 智之*; 大竹 淑恵*; 熊谷 正芳*; 鈴木 裕士
鉄と鋼, 104(3), p.138 - 144, 2018/03
被引用回数:4 パーセンタイル:22.39(Metallurgy & Metallurgical Engineering)得られる情報が材料表面に限られるX線回折法や電子線後方散乱回折法に比べて、中性子工学回折法は、鉄鋼材料のバルク平均の微視組織の評価が可能な優れた測定技術である。しかしながら、中性子回折法による測定は、原子炉や放射光といった大型実験施設で実施可能なものであり、これまでに小型中性子源が利用されることはなかった。われわれは、陽子線加速器駆動理研小型中性子源RANSを開発するとともに、それを利用することで鉄鋼材料の集合組織変化の実測に成功した。本研究では、RANSを用いて残留オーステナイトの体積率の測定に挑戦した。低フラックスの中性子によりできる限り多くの回折ピークを得るために、バックグランドノイズをできるだけ低減した。体積率はリートベルト解析によって求めた。J-PARCのMLFに設置された工学材料回折装置TAKUMIによって得られた結果と比較すると、RANSにて30分から300分の測定で得られた体積率は、1-2%の誤差で一致した。このように、RANSによる中性子回折を用いることにより、結晶相の体積率の定量解析に成功するなど、工場などにおける小型中性子源の実用化に可能性を示した。
池田 義雅*; 竹谷 篤*; 高村 正人*; 須長 秀行*; 熊谷 正芳*; 大場 洋次郎*; 大竹 淑恵*; 鈴木 裕士
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 833, p.61 - 67, 2016/10
被引用回数:38 パーセンタイル:96.53(Instruments & Instrumentation)小型中性子源を利用した透過イメージングや小角散乱、反射率測定など、小型中性子源による工学的応用に関する議論が広まるなか、小型中性子源のフラックスの低いゆえに回折実験に関する検討はなされてこなかった。そこで本研究では、理化学研究所の小型加速器中性子源RANSを用いることにより、中性子工学回折実験への応用の可能性について検討した。まず、光学系の最適化によるバックグラウンドノイズの低減により、10分間の測定でも十分に認識可能な回折パターンを得ることができた。110回折のプロファイルから計算した分解能は約2.5%であり、中性子回折によるひずみ測定には不十分である。RANSのモデレータによる減速時間が約30sと分解能の決定に最も支配的なパラメータであることから、モデレータの改良が分解能の向上につながる。一方で、回折パターンの変化から、塑性変形に伴う集合組織の変化をとらえることに成功するとともに、リートベルトコードによる回折パターンのフィッティングにより、オーステナイト相の体積率の評価にも成功した。RANSは、集合組織や残留オーステナイト量の測定を目的とした中性子工学回折の応用に有効と考えられる。